体験談

ロシア派遣体験談


氏名 横地 穣
所属学部 農学部 学年   4 年(派遣当時3年)
派遣先大学 極東連邦大学(ウラジオストク)・北東連邦大学(ヤクーツク)
派遣期間 平成28年3月5日~13日

派遣プログラムの内容について

2016年3月5日から9日までウラジオストクの極東連邦大学において、10日から12日までヤクーツクの北東連邦大学において研修に参加した。

ウラジオストクにおいては市内を散策しながら、ロシアの文化や歴史、芸術などに触れた。1899年に設立された東洋学院の建物や、ロシアの考古学的資料などを展示するアルセーニェフ記念国立沿海州博物館、国立美術館などを訪問した。またバレエの鑑賞も行った。またウラジオストクでは20世紀初頭に日本人コミュニティーが形成されており、その足跡をたどった。

ヤクーツクにおいては北東連邦大学において講義を中心にロシアやサハ共和国の文化や歴史、北極圏の永久凍土地帯である当地域が抱える環境などの問題などについて学んだ。また北東連邦大学で日本語を専攻する学生と交流した。

学習成果について

ウラジオストクにおける4日間の滞在では、博物館や美術館を中心に巡りロシア、特に極東地域における文化、芸術、歴史について学ぶことができた。高校や大学における学習でロシアについて触れることはあまりなく、今回現地で見たり聞いたりしたことはとても新鮮だった。特に沿海州地域の歴史が興味深く、ロシアでありながら19世紀にロシア人が入植するまでは中国や韓国、モンゴルなどのアジア地域の文化に影響を受けていたことなどは初めて知った。また日本人コミュニティーの足跡をたどるなど、日本とウラジオストクの結びつきについても学ぶことができた。

ヤクーツクにおける滞在では大学での講義を中心に北極圏シベリアの歴史、文化、宗教、環境などについて学んだ。特に興味深かったのは、気候変動下における永久凍土地帯の研究についての講義である。シベリアの永久凍土地帯は温室効果ガス、特にメタンのシンクとなっており、温暖化などによってこれが溶けるとメタンの放出によってさらに温暖化を加速させる可能性があるということを学んだ。従来からこの北極圏地域は温暖化の影響を特に強く受けると言われており、これら地域での環境モニタリングの重要性を感じた。

海外での経験について

今回の派遣が私にとっての初めてのロシアへの訪問となった。ロシアは日本海を隔てて、飛行機で2時間程度と非常に近くにある国であるが、あまりよく知らない国であった。そのため今回の訪問は非常に楽しみであった。

ウラジオストクにはヨーロッパ式の建築が多くありロシアのヨーロッパ的側面を見ることができた。一方のヤクーツクはアジア人的な顔立ちの人が多く、ヨーロッパではないロシアを体験することができた。2都市での研修によってロシアの広さや多様な文化に触れることができた。

またヤクーツクでは永久凍土の上に建物をつくるため、杭を利用した高床の建築物を見ることができ、寒冷地で暮らす人の知恵にも触れることができた。

また今回の派遣は初めての英語圏以外への留学となった。街の中で物を買ったり、食事を頼んだりする際になかなか言葉が通じず苦労した。ロシア語ができる友人などに教えてもらいながら、簡単な表現を使い意思の疎通ができた時は非常に嬉しかった。英語以外の言語も学んでみたいと感じた。

今後の進路への影響について

今回の派遣研修の位置付けは長期留学に対する準備として、ロシアの文化や大学における研究内容について学ぶものであった。

私は現在、北海道大学農学部において地域環境学を専攻しており、主に湿原の水文環境を研究している。今回ヤクーツクで学んだ永久凍土地帯の環境問題は非常に興味深いものだった。

またシベリア地域には多くの湿原が分布しており、これらについても研究がなされている。大学院の授業として開講されている「北極圏での環境観測実習」などに参加し、シベリアにおける環境、生態系などについてさらに深く学んでみたい。

そしてさらには、機会があり、受け入れて頂ける先生がいれば、今後大学院修士課程もしくは博士課程においてロシアへ留学し、北極圏の湿地に関する研究をしてみたいと考えている。

今回の短期派遣は自分の研究、進路の視野を広げる意味で非常に有意義なものであったと考えている。

(氷像@サハ共和国政府庁舎前レーニン広場)  
(氷像@サハ共和国政府庁舎前レーニン広場)

 

(北東連邦大学の学生との交流)
(北東連邦大学の学生との交流)