体験談

北極域永久凍土生態系実習


 

氏名 佐藤 鈴佳
所属大学院 農学院 専攻 応用生物科学専攻
課程 修士 学年 1年

 

参加フィールドワーク 北極域永久凍土生態系実習 <ロシア・ヤクーツク>
平成29年8月6日~8月18日

 

RJE-3のSummer Schoolヤクーツク実習では、永久凍土と環境問題をテーマにタイガの森林でフィールドワークを行いました。地球温暖化は世界規模の環境問題であり、その原因の一つに二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス濃度の上昇があります。樹木は光合成を行う際に二酸化炭素を消費するため、森林面積と地球温暖化の進行速度には少なからず関係があると考えられます。ヤクーツク等の北方の森林は、その面積が広いこともあり二酸化炭素の収支に大きな影響力を持っています。そこで、私たちはスパスカヤパッドの森林で土壌や樹木の調査を行いました。

また、環境問題をはじめとする様々な問題の解決のためには極東地域の持続可能な協力関係が必須であると考えられます。そのために、私たち学生のような若い世代の相互理解が必要です。ヤクーツク滞在中には、ヤクーツク市内を観光する機会もあり、伝統的な楽器(ホムス)や伝統料理、日本の影響を受けた文化(カラオケなど)を見て回ることができました。

 

ホムス                                                                       ヤクーツク市内のカラオケ

 

伝統料理

実習中、ロシアの学生や教授と基本的に英語でのコミュニケーションをします。私はそれほど英語に自信がある方ではなく、寧ろ研究室の留学生と会話する際にも少し緊張してしまうくらい英語に対して「壁」を感じていました。しかし、たった10日間でしたが英語で講義を受け、また、冗談を交えた日常会話をすることで自然と楽しめるようになっていました。帰国後も、英語に対する恐れが消えたことでこれまで以上に留学生と会話することができています。

もちろん、英語を習得しただけでなく、ロシアという国について多くのことを実体験とともに学ぶことができました。ロシア人の方には、日本のことをよく知っていてくれて日本が好きだと言ってくれる方が多くいました。しかし、私たち日本人はロシアという国のことについて全く知らないということにまず気づかされました。実習中に仲良くなった博士課程のロシア人の方は、会話をしているときも、実習後SNSでやり取りをしているときでも「ありがとう」「おいしい」「だってばよ(NARUTOというマンガの主人公ナルトの口癖)」という日本語を交えてくれます。彼は日本のアニメが好きで日本語のフレーズを知っているとのことでした。これに対して日本では、ロシアの文化はあまり入ってきていないのが現状です。ロシア料理といえば「ボルシチ」「ピロシキ」等は思いつくけれど、それ以上のことは知らない人が多いと思います。それどころか、領土問題の影響でマイナスイメージを抱く人も多いのではないでしょうか。実際、私はロシアについて何も知らない状態でした。

しかし、ロシア人側には、日本と協力して問題を解決していきたいと考えている人がたくさんいました。これを知ることができたことだけで、私のロシアに対するイメージが大きく変わり、また、無知であったことに恥ずかしさを感じました。北海道という、ロシアから近い土地で学んでいるため、これからも大学関係の共同プログラム等に参加する機会があると思います。その際には、今回のような単なる好奇心よりは少し踏み入った興味と問題意識をもって臨むことができるのではないかと思います。