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シベリア学実習<イルクーツク・ウラジオストク> :理学院 横田 駿太郎 (2019年度基礎科目参加体験談)


Yokota Shuntaro

Hokkaido University, Graduate School of Science, Master course 1

Period of time: 1 July, 2019 ~ 9 July, 2019

Host University :Irkutsk State University / Far Eastern Federal University

本実習では,イルクーツク・ウラジオストクの2都市において,大学施設の見学,市内の観光に加え,シベリア地域の歴史,民族,生態系についての講義への参加を行った。

初めに訪問したイルクーツクはバイカル湖の近くに位置するシベリアの古い都市であり,美しい街並みを見ることができた。日本の最北端よりも高緯度に位置することから訪問した7月は非常に日が長く,その日のプログラムを終えた後もホテル近傍のアンガラ川沿いを散策することができた。川沿いは午後8時を超えてなおたくさんの人が出歩いており時間感覚に違和感を覚えることもあった.実際ホテルに帰った後は疲れもあり,すぐに眠りにつくことができた。

イルクーツク国立大学では数学・経済学の建物と生態学の建物の見学を行った.どちらの建物も建造から100年経過している歴史ある建物でありながら,なおも現役で使用されている。天井が高く自然光を取り入れた教室や,標本に囲まれた教室など,日本の大学ではあまり見られない雰囲気の中を味わうことができた。

市内の観光ではマーケット,劇場,植物園へ行った。この他に自分は夕食後から日没までの2時間程度の時間を利用して市内を歩き回る機会があった。

自由時間後は劇場に向かい,コメディの鑑賞を行った。ロシア語で公演されていたため,事前に概要を伝えられていたため,演者のやりとりに注目することで状況を理解しようと努めていたものの,観ながら内容を理解することは難しかった。歴史ある劇場や公演の雰囲気は楽しむことができたのが幸いである。

イルクーツク滞在最終日には市内からバスで移動し,バイカル湖湖畔の町,リストヴャンカへ向かった。バイカル湖は世界の淡水の20%が集中する巨大な湖であり,湖畔から望んだ景色は海と遜色ないものであった。塩のない風は快適であり,外国人観光客だけでなく,ロシア人と思われる人々もバカンスを楽しんでいる姿を見ることができた。バイカル湖の博物館の見学では湖周辺の環境や水棲生物に関する説明を受けた。博物館に展示されているバイカルアザラシは栄養状態が良いのか運動が十分でないのかは定かでないが,映像等でみるアザラシよりもより太っている印象を受けた。

実習の後半に滞在したウラジオストクへは深夜便を利用したため早朝に到着した。到着時は濃い霧が立ち込めており,やや乾燥して気温の高いイルクーツクとは対照的な気候を肌で感じた。極東連邦大学のあるルースキー島は巨大な橋2つを渡った先にあり,ウラジオストク市街からバスで40分ほどを要する。島の一部が丸ごとキャンパスになっており,ホテル,運動場,スーパーマーケットなど一通りの設備が揃っている。到着日には極東連邦大学の学生3人を交えて茶会を行った。このときルースキー島の景勝地を教えていただいたため自由時間に自転車を借りて向かってみた。岬を一望できる高台であり, 残念ながら天候には恵まれなかったが,そこそこ重いカメラを持参してきた苦労は報われたように感じた。

ウラジオストク市内では博物館の見学のほかにいくつかの観光地を見て回る機会があった。シベリア鉄道の東の終着であり始点のウラジオストック駅は中世ロシアの建築様式をとっており,市内の他の建物とは異なった雰囲気を持っていた。また,ウラジオストク市内ではイルクーツクではほとんど見かけなかった日本語の広告や案内があり,極東ロシアと日本の距離の近さを思い起こさせた。

アジア系の観光客のほとんどは中国人,韓国人であったが,日ロの関係がより重視されるようになれば日本人にとっても魅力的な観光地となると考えられる。ウラジオストックは,中国,韓国,日本といった東アジアの国との地理的な距離が近く,閉鎖都市から解放された今は,観光地としても環日本海の経済拠点の1つとしても将来に期待が持てる都市であると考えている。実際,ルースキー島はあちこちで開発が進んでおり,数年後はまた違った姿をしているかもしれない。

この実習を通して,今まであまりなじみのなかったシベリア地域に関する知見を深めることができたとともに,ロシアの人と交流する貴重な機会を得ることができた。9日という短くも濃い時間の中で,シベリアだけでなく,ロシアの他の地域への関心も増し,とても良い経験を得ることができた。

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